私たちの身体は、外の環境や身体の内側に変化が起きても、生命維持に必要な生理的な機能を正常に保とうとする働き(恒常性)があります。
その重要な役割を担っているのが自律神経で、正常に働かないと身体に不調をきたします。
この記事では、自律神経の働きについて解説し、自律神経が乱れることで現れる症状と原因、自律神経を整える方法も紹介します。
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自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、自分の意思では動かせず、無意識に働く神経を指します。
自律神経には、交感神経と副交感神経がバランスを取り合い、外部からの刺激や体内の変化に反応して内臓や血管などの機能をコントロールする役割があります。
交感神経は、一般的には、身体を動かしたときや緊張したとき、ストレスを感じたときに活発化します。
副交感神経は主にリラックスしているときや眠っているときに優位になります。心拍数や血圧を低下させることにより身体の回復やエネルギーの補給をうながしたり、消化管の働きを活発化させて消化や排せつをスムーズにおこなったりする役割を担っています。
しかし、自律神経が乱れると交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、心身の不調をきたす場合があります。

あなたの自律神経は大丈夫? チェックリストで確認しよう
● 寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めたりする
● 疲れや身体のだるさを感じることが多い
● 頭痛やめまい、立ちくらみが起こりやすい
● 急な胸の苦しさや、息苦しさを感じることがある
● 不安やイライラが持続している
● ささいなことに神経質になる
● 落ち着かずそわそわしてしまう
● 動悸や胃もたれ、胸やけが頻繁に起こる
● 便秘や下痢が続いている
● 手足の冷え、しびれ、慢性的な肩こり、腰痛、耳鳴りがある
● 風邪を引きやすく、体調不良が続きやすい
● 目が疲れやすい
●発汗の異常
● 食欲不振や体重減少がある

自律神経が乱れる原因
生活習慣の乱れ
不規則な生活リズム、睡眠不足、運動不足などは自律神経が乱れる原因になり得ます。
精神的、身体的なストレス
ストレスは不安・緊張・心拍数が上がるなど、交感神経が優位になります。ストレスが長期間続くと、通常なら副交感神経優位の休息モードに入るはずの時間帯も交感神経優位の活動モードが続き、自律神経のバランスが崩れた状態になります。
季節の変化
季節の変わり目には、気温や気圧の急激な変化などに自律神経が適応しようと過剰に働くことでバランスが乱れやすくなります。
ホルモンバランスの乱れ
女性の月経周期、妊娠中、更年期などはホルモンの変動が大きく、自律神経のバランスが崩れやすいです。男性では加齢によるホルモンバランスの変化が自律神経に影響する場合があります。

自律神経を整える方法
生活リズムを整える、十分な睡眠を確保する
十分な睡眠は、自律神経を整える効果が期待できます。早く寝ることを心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
適度な運動に取り組む
適度な運動は、副交感神経の働きを高めます。1回30分程度のウォーキングや階段による移動、すきま時間のストレッチや筋トレなどに取り組むとよいでしょう。ただし、負荷が大きすぎる運動は自律神経の乱れにつながる可能性があります。
食生活を改善する
1日3回の規則正しい食事は、自律神経を整えるためには大切なことです。栄養バランスのとれた食事は、自律神経が乱れるリスクの低減につながるとされています。
マッサージを行う
マッサージで身体がリラックスし、筋肉の緊張やこりが改善され、血行が良くなるとともに、副交感神経優位な状態に切り替わります。場所を取らず、気になったときにその場でできる、耳や目の周りのマッサージも効果的です。
